いえいえ。大人も弾いていいんです!

ブログ

「大人になって楽器を始める人がムカつきます」がムカつくあなたに

2021年9月12日

ちょっとGoogleで検索すると「大人になって楽器を始める人がムカつきます」という意見がヒットしてしまいます。

でも! 楽器を始めていいのか迷う必要は一切ありません。

なぜなら最新の脳科学が「楽器演奏は脳機能の維持に効果がある」「認知症になりにくい」と証明していますし、クラシック以外のジャンルでは、大人になって楽器を始めたプロの演奏家もたくさんいるからです。

この記事では、大人になって楽器を始めるメリットや、どんな楽しみ方があるのかを考えていきます。

hide
やっぱり楽器演奏は楽しいですから、やらなきゃソンです。

大人になって楽器を始める人にムカついた理由とは!?

この記事を書く原因となったネットの書き込みについて、かんたんにまとめておきます。

hide
そんなつまらない話は気にしないのが一番ですが……。

発端は数年前にYahoo!知恵袋に書き込まれた「大人になって楽器を始める人がムカつきます」という話ですが、ネットではその他にも定期的に、似たような話が上がってくるようです。

Yahoo!知恵袋の書き込みとコメントは?

話題となった最初の書き込みはこんな内容でした。

大人になって楽器を始める人がムカつきます。 絶対に上手くならないのになぜ始めるのでしょうか。 いっておきますが、楽器というのは人に聴かせても恥ずかしくないくらいまでは上手くならないと意味ありません。騒音以下です。 しかし大人になってから楽器を始めた人で上手い人はいません。 もちろん楽器によるでしょうが、有名な楽器(ピアノ、ギター、バイオリン等オーケストラでつかう楽器等々)は絶対に上手くなりません。 上手くなれたとしても幼少から始めた人の小学生低学年時代にすらおよびません。 大人になってからヘラヘラ楽器始める人が本当に嫌いです。

Yahoo!知恵袋

まとめると、

  1. 大人になって楽器を始めてもうまくならない
  2. 楽器は人に聴かせてはずかしくないレベルにならないと意味がない

という2点が主な主張のようです。

それに対して賛同する回答も多く「大人になってバイオリンを始めても五嶋みどりが小学生だったころのレベルに絶対到達しない」と、かなり偏った観点の意見も見受けられました。

hide
楽器は脳にいいから、弾くだけで意味があるんですけどね。

五嶋みどりさんの名誉のために補足すると、彼女は音楽に触れる機会のない学生やコミュニティーの人々に音楽を届ける活動をしています。「大人から楽器を始める人がムカつく」とは言いそうにないです。

某巨大掲示板にも転載される

某巨大掲示板にも「大人になって楽器を始める奴に言いたいんやけど」というタイトルでほとんど同じ内容が転載されていたことがあります。

しかし楽器演奏というのは……

  1. 大人になって始めてもうまくなる
  2. それ以前に脳機能の維持などの重要な効果が期待できる

という点で、言ってることは間違いですし、あまり気にしないのが正解です。

Yahoo!知恵袋では他にもクラシック音楽は子どものころからやらないとうまくならない……と力説する人がいましたが、音楽はクラシックだけではありません(クラシックもいいですが…)。

「大人になって楽器を始める意味はある!」と脳科学が実証

「楽器演奏をするほうが長生きできますよ」

と、東北大学の瀧靖之教授が発言しています。

  1. 音楽はリラックス状態を作り出しそれによって長生きできる
  2. しかも認知症のリスクを下げることが科学的に明らかになった

という趣旨の発言です。今までは、なんとなく「楽器演奏をすると脳にいいらしいよ」といわれてきたのですが、現在では脳科学がエビデンスをもってそれを証明しはじめています。

それだけではありません。楽器演奏はプロのようにたくさん行う必要もないのです。

「ある研究において、常に楽器を演奏しているプロ演奏家と、趣味程度で楽器に親しんでいる方の脳を比較したところ、実はそれほど脳年齢が変わらないという結果が出たんです(瀧教授)」ということなので、音楽は趣味程度でも十分脳によい! といえます。

楽器演奏が脳によい仕組みとは?

音楽を演奏する時に使う脳の部位

瀧教授によると、楽器演奏は脳のさまざまな部分を駆使して行い、そのために脳機能の維持・向上に役立つそうです。

楽譜を見るときは脳の視覚野を使い、書いてある音符を理解する時は言語野付近を使い、さらにそれを一時的に覚えるワーキングメモリーに蓄え、どこに楽器の鍵盤や指板があるかを把握する空間認識を行い、最終的に演奏する(巧緻運動)時に脳の運動野を使う……といった具合に、脳をフル活用する作業なのです。

そこで、実際に調査をしてみても、楽器を弾く人は弾かない人に比べて、脳の体積が大きく、考えたり判断する認知力が非常に若いということがわかっています。

大人になって楽器をはじめる事は脳の機能を維持・向上させ、健康を促進する。

子どもと一緒に楽器を練習すれば、家族の対話が促進されるというメリットもあります。

大人になって楽器を始めたのにめっちゃすごい人

ERIC CLAPTONのCD「ME AND MR. JOHNSON」ジャケット写真
クラプトンが原点に立ち返った作品"Me and Mr.Johnson"

「大人になって楽器を始める人がムカつきます」というYahoo!知恵袋や某巨大掲示板の書き込みは、クラシック音楽という、音楽のたった1つのジャンルについての発言でした。

では、ロックやジャズやポップスはどうかというと、大人から楽器を始めた人もけっこういます。

最も偉大なギタリスト2人は10代半ばでギターを始めた

This has gotta stop by E.Clapton

雑誌「ローリングストーン(Rolling Stone)」といえば、音楽を中心にカルチャーや政治を扱う米国の有名な雑誌です。

この「ローリング・ストーン」誌が選んだ最も偉大なギタリスト100人の1位はジミ・ヘンドリックスで、2位がエリック・クラプトン。ふたりとも初めて楽器を手にしたのは10代半ばのことでした。

hide
僕が世界一好きなギタリストはエリック・クラプトンです。

クラプトンもけっこう大人になってからギターを手にして、自分の耳だけを頼りに上達していったのです。五嶋みどりもいいですが、自分の耳と感覚だけを頼りに、自身の音楽を切り開いたクラプトンの方が僕は好きです。

カシオペア BEYOND THE GALAXY

他にもカシオペアの野呂一生など、すごいギタリストの多くは、かなり大人になってから楽器を始めています。

ポピュラー音楽の世界では何歳で楽器を始めてもOK!

ジャズボーカリストのケイコ・リーさんは21歳でピアノを始め、一時はプロのピアニストとして演奏していました(現在はボーカリスト)。最近でもピアノの弾き語りをすることはあるようです。

Smoke Gets In Your Eyes featuring EXILE ATSUSHI

神聖かまってちゃんというバンドの元ベーシストちばぎんさんは、確か2009年にバンド加入する時点でベースを弾き始めたはずです。20代でいきなりベースを始めて即プロ活動をしていました。

神聖かまってちゃん「33才の夏休み」

ちばぎんさんはそれ以前に別のバンドでボーカルとギターを演奏していたので完全初心者ではありません。でもベースに関しては初心者即プロだったわけです。

ジョン・レノンの白いスタインウェイ

最後に紹介しておきたいのは、ジョン・レノンとピアノの関係。ジョンは高校時代にビートルズの前身となるバンドをスタートさせ、その頃からギターを弾いていました。おそらくティーンエイジャーのころからピアノに触ってはいたと思いますが、ちゃんと勉強したことはないはずです。

でも、ジョンは独学でピアノを学び「イマジン」「ハッピー・クリスマス(戦争は終った)」「マザー」などの名曲を、あの有名な白いスタインウェイのアップライトピアノで作曲しています。

hide
ジョンが大人になってピアノを弾こうと思わなかったら、僕たちは数々の名曲を聴くことができなかったかもしれません。

結論として、大人になってから楽器を始めてもぜんぜん問題ないし、むしろ始めるべきだと断言できます。少なくとも「子どものうちから練習しないと五嶋みどりみたいな一流奏者になれない」といって楽器演奏をしていなかったら、ジミ・ヘンドリックスやエリック・クラプトンは存在しなかったことに……。

hide
それは世界的な損失ですね。

だから、ポピュラー音楽の世界では何歳から楽器を始めてもOKです。

hide
おまけに脳の健康にもプラスとなれば、やるしかないですね。やりましょう。

大人になってから始める楽器のおすすめは!?

ピアノやギターは人気上位

実はこのテーマ「大人になってから始める楽器のおすすめは!?」については、別の記事で詳しく取り上げています。

大人が弾くべき楽器をデータで特定
大人から始める楽器のおすすめはピアノ、ギター、ウクレレ

株式会社イードが30代~60代の男性を対象として実施したアンケート調査では9割近くの人が「これから楽器を演奏したい」と回答しました。 hide9割の大人が楽器演奏に前向き! この記事では、楽器演奏に燃 ...

続きを見る

記事の内容をまとめると、アンケート調査や楽器の出荷台数統計から判断した人気の楽器は……

  1. ピアノ
  2. ギター
  3. ウクレレ

という結果に。ピアノもギターも、大人から始めても十分うまくなるし、楽しめます。ウクレレに至っては、大人から始める人だらけの楽器です。

ジェイク・シマブクロ氏や名渡山遼くんのようなすごいプレイヤーは子どものころから演奏していましたが、そうじゃなくても上達する人が多いのがウクレレのいいところ。今から始めても間に合う楽器としては、ナンバーワンクラスだと思います。

もしちょっとだけ音楽に自信がある方なら、このサイトのトップページから練習をスタートすれば、きっと身につきます。

参考経験ゼロから7日間で「アロハオエ」弾き語り

音楽に自信がない人は、古川忠義先生のDVD講座がおすすめです。ものすごく手厚いフォロー体勢で、挫折するスキを与えないほど。毎日古川先生のメールが届きますし、メールに返信すれば、質問もできます。LINEで友達になると、LINEでの質問もOK! ヘタな教室に行くよりためになる内容です。

参考古川先生のおすすめDVD教材……実際に受講した体験記事

結論 ネガティブな意見は気にしない!

ネガティブな話が好きな人はどこにでもいますから、今後ともネット上で、大人が楽器を演奏することに対する否定的な意見を目にすることはあると思います。

でも、ぜんぜん気にする必要はありません。

僕たちは趣味と、脳活と、バンドメンバー間の親睦と、家族の対話の促進をかねて、これからも楽器演奏を続けましょう。

hide
やってるうちにうまくもなりますよ!

そもそもうまくならなくても、楽しいんだからいいじゃないですか。

楽しむことは、健康や長生きにつながりますし、職場のストレスを忘れることもできます。

楽器演奏、おすすめです。


参考文献

「科学が明らかにし始めた『音楽』の隠された実力。」(2020)『こべるにくす』

楽器演奏が与える脳への影響 ブンネ
https://www.bunnemusic.jp/column/benefits.html

Cocomi×脳科学者・中野信子の対談Part2。音楽を演奏することで人は豊かになる?【新世代のミューズCocomiが学ぶ】 VOGUE
https://www.vogue.co.jp/change/article/cocomi-nobukonakano-part2

  • この記事を書いた人

hide

なみのおと音楽教室を運営するアップライト合同会社のすちゃだら社長。高校の部活(ビッグバンドジャズ)でギターを始め、その後ウクレレに持ち替えました。記事監修はピアノ講師・のりこ先生、イラストは漫画家のおだ辰夫さんにお願いしました。

おすすめの記事

1

このページでは、以下の3つのツールをPDFでダウンロードできます。 コードを調べる便利な無料ツール ウクレレコード表 印刷して製本する「ポケットコードブック」 A4用紙2枚に収めた「ウクレレコード表」 ...

2

スーパーギタリストの古川さんが、なんで初心者向け講座を? そう思いつつこの教材を手に取った時、内容の濃さに衝撃を受けました。 古川先生は多くの生徒さんを抱える、ウクレレの先生でもあったのです。それは僕 ...

3

今回実施したアンケートの結果、ウクレレが「1か月以内に弾けた」と回答した人は全体の65.7%。その中で「1週間以内に弾けた」と答えた人が34%にのぼりました。 詳しいアンケート調査結果へジャンプ 1か ...

-ブログ
-