ピアノ

ピアノ「コード奏法」のメリットや練習のしかた。かっこよく弾くコツは?

ピアノを調律する調律師

「もし調律師さんが、自分の子どもにピアノを習わせるなら?」

そんな質問に対する、調律師・石山雅雄さんの回答が印象に残っています。

コードネーム奏法を教えている先生に習わせます。(中略) ピアノのコードネーム奏法をマスターした人は、どんな曲でもコードさえ見れば即興でピアノを楽しむことができるので、ピアノが一生の趣味となっていくのです。

ピアノ調律.net

たくさんのピアニストを見てきた調律師さんの意見です。


この記事では、そんなコード奏法(コードネーム奏法)について解説していきます。

メロディーとコードだけが書かれた一段譜(Cメロ譜)を見て、即興で演奏したり弾き語りをすることは、誰にでもマスターできます。そして、次のような人には特に大きなメリットがあります。

  • 大人になってからピアノを始める人
  • ピアノが苦手な保育士さん
  • これからバンドでキーボードを弾きたい人
  • 即興で伴奏をつけたいピアノの先生

コードを奏法を学ぶことで一気に音楽の世界が広がり、苦手だった演奏が楽しくなるかもしれません。また、より自由に「こう弾きたい」という思いをかなえる演奏ができるでしょう。

コード奏法は誰でも取り組みやすく、楽しくマスターできます。しかし「本当にかっこよく、自由自在に弾く」となると、かなり難しくなってきます。記事後半ではその点にも触れていきます。

コード奏法とは? メリットは何?

Cメロ譜(一段譜)の例

コード奏法とは、ひとつひとつの音符ではなく「C、D、E……」などのアルファベット(コードネーム)を見て演奏することをさします。

コードを見て左手で伴奏し右手でメロディーを弾くこともありますし、両手で伴奏しながら歌う「弾き語り」の場合もあります。

言い方を変えると「できあがった楽譜の通りに弾くのではなく、コードを見ながら自由に伴奏すること」ともいえます。また次のようなメリットがあります。

コード奏法のメリット
  • 初心者でも取り組みやすい
  • コード進行がわかると楽曲分析がしやすくなる
  • 苦手な楽譜を自分なりに弾きやすくアレンジできる
  • 他の楽器の人と共通の土俵で話ができる

コード奏法は初心者さんにもおすすめですし、ピアノが弾ける人のステップアップとしても役立ちます。

大人からピアノを始める場合もコード奏法がおすすめ

ギターの場合は多くの人が独学で弾き語りをしています。コード伴奏をしながら歌うことは比較的マスターしやすいからです。そして、ピアノでも同じ事がいえます。

そこで、大人になってから「ピアノをはじめたいな」と考えている人には、まず弾き語りに挑戦してみることをおすすめします。

左手だけだとつかみにくい(弾きにくい)コードであっても両手なら弾きやすいですから「指が届かない!」という苦労も少なめですみます。

なみのおと音楽教室にも、大人からピアノをはじめて、現在コード奏法に取り組んでいる生徒さんがいらっしゃいます。

ピアノが苦手な保育士さんや幼稚園教諭にもおすすめ

ピアノが苦手な保育士さんにとっても、コード奏法をマスターすることは大きなメリットになります。

園の方針にもよりますが、ある程度自由に弾かせてもらえるなら「この楽譜のここが難しい」という部分を自分なりに省略してしまうことも可能です。また、Cメロ譜だけでも自由に演奏できるようになりますから、ピアノ演奏が楽しくなるはずです。

保育士さん向けのアドバイスについては、以下の記事に詳しく掲載しています。

ただし「かっこよく弾く」のは簡単ではありません

たとえば保育園でなら、左手でズンチャズンチャというシンプルな伴奏を付けながら弾ければ十分でしょう。しかし、かっこよく弾こうと思うと、ハードルが高くなります。

何を意識してどう弾くのか? その背後には、自分がイメージする「こう弾きたい」という理想を実現するための、幅広い知識が必要になるからです。

記事の後半で、こういった点を少し突っ込んで解説します。

ギターのコード奏法との違いとピアノ独特の難しさ

ギターやウクレレでも、多くの場合コード奏法から学びはじめます。ただ、弦楽器の場合はコード奏法というと弾き語りが中心になります。

ピアノの場合は弾き語りもできますし、左手でコードを弾きながら右手でメロディーを弾くという即興風のソロ演奏も可能です。ピアノはメロディーも弾ける点で、少し難しいといえます。

そのため、ピアノのコード奏法については「入口はやさしいものの、極めるには少し難しいことにチャレンジする必要がある」ともいえそうです。

ギターやウクレレでも、ものすごく上手な人はCメロ譜を見ながら即興でソロ演奏をすることができます。しかし、一般的にそれをコード奏法と呼ぶことはあまりありません。

コード奏法を学ぶために必要なものや練習方法は?

ピアノのコード奏法について「入口はやさしいものの、極めるには少し難しいことにチャレンジする必要がある」というお話をしました。

そこで次のように考えるとよいと思います。

  1. 大人の人が入門するならコードネームを見て弾けるようになればまずOK
  2. 本気で弾きたい場合はが必要になる

コード奏法を教えてくれる教室を探すのは難しい!?

これはコード奏法最大の難点だと思うのですが、コード奏法を教えてくれるピアノ教室を探すこと自体が大変です。これには2つの理由があります。

  1. そもそもコード奏法を教えている教室が少ない
  2. 教えていてもわかりやすく広告していない

クラシック一筋の先生の場合、意外とコード奏法は勉強していないことが多く、教室でも教えていません。そのぶんクラシックの奏法や知識はしっかりと教えてもらえますが、そもそもコード奏法に対応していない教室がたくさんあるわけです。

ポピュラー音楽が得意でコード奏法をマスターしている先生であっても、その点をあまりアピールしていないことがあります。生徒さんの方でも「コード奏法を教わりたい」という人は少数派ですから、広告宣伝するメリットが少ないからでしょう。

コード奏法のメリットに気付いている人は少数派なのかなと思います。

そこで、コード奏法を教えてくれる教室を探そうとすると、かなり苦労する事になります。

たとえばヤマハにはポップスタイルピアノ科というコースがあり、楽器店によってはコード奏法を打ち出しています。楽器店や先生による振れ幅は大きいと思うので、しっかりとレッスン内容を確認した上でなら、こういったコースの受講を検討してみる手はあると思います。

クラシックで積み重ねた技術や知識も役立ちます

クラシックの知識も役立ちます!

これまでクラシックを中心にピアノを学んできたけれど「コード奏法はマスターできるだろうか?」と考えているなら、ぜひ挑戦してみることをおすすめします。

  1. 培った演奏技術はコードを弾く時も即役立ちます
  2. カデンツや和声は用語が違うだけで、実はコード奏法に通じるものがあります

むしろコード奏法を学んでみることでクラシックの知識が整理され、演奏の幅が一気に広がるかもしれません。

一段譜だけで自由に演奏できるようになるには?

一段譜だけで自由に、かっこよく演奏するには、いくつか大切なポイントがあります。

まず、どう演奏するか? どんな雰囲気で弾くかイメージがないと、かっこよく弾くことができません。そこで、まず最初に「こういう風に弾きたい」というイメージをもつ必要があります。

左手でかっこよく伴奏するために「リズム」を考える

「こういう風に弾きたい」というイメージが、ボサノバやジャス風のスイングやファンクであった場合、左手はそのリズムを再現することになります。

しかし、ピアノでドラムやベースが刻んでいるリズムを正確に再現することはできません。

そこで「ではどの音を省略するか?」、そしてどのようにピアノで再現するかを考える必要があります。

あまりポピュラー音楽になじみがない場合は、リズムの捉え方が難しいと思います。そういう場合は、まず「こう弾きたい」という楽曲を聴き込むところからはじめた方がいいでしょう。

リズムやグルーヴを表現するためにはポピュラー音楽に関する知識が必要になります。ある意味、ここが「かっこよく聴かせるためのカンどころ」といえるでしょう。どんな曲をどう聴き、どう分析するか? その点をしっかり教えてくれる先生に指導してもらうのが効率的です。

リハーモナイズなどコードをどうするか考える

リズムがある程度イメージできたら、コードをどのように変えるか考えます。いわゆるリハーモナイズという作業ですが、コードに対する知識がないと難しい部分です。

理論がわかればそこまで難しい作業ではありませんが、手探りではなかなか大変でしょう。

ある程度のコード理論やスケールの知識、その他アレンジに必要な知識を学んでおく必要があります。

コード奏法をマスターしたいピアノの先生向け講座

なみのおと音楽教室では、これからコード奏法に取り組んでみたいピアノの先生のためのアレンジ講座を用意しています。

海外を含め、全国のピアノ講師の先生方にコード理論やアレンジのレッスンをさせていただいた経験を踏まえ、約6か月(または4か月)の集中講義を行っています。

また、単発で「ここが知りたい」という内容をお伝えするワンポイント講座も行っています。

ご興味がある場合は、お問い合わせいただけましたら、開催のご案内をさしあげます。

「その他お問い合わせ」という欄に「アレンジのワンポイント講座について案内してほしい」とお書き添えください。

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