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3・4歳児のピアノ「レッスンにならない」とき読んで欲しい解決のヒント

2022年8月25日

保護者の立場でも先生の立場でも、3・4歳児のピアノレッスンには悩みがつきものです。しかし、以下のような問題は、きっと解決できます

  • 座っていられずに歩き回る
  • 気分が乗らないと練習しない
  • 家で練習しない。してこない
  • 手が小さくて鍵盤が弾けない

この記事では、3・4歳以下の幼児を500人以上指導した経験を元に、幼児のピアノレッスンを実りあるものにするヒントを提供しています。

なみのおと音楽教室講師の立石典子が執筆しています。

ピアノの先生の悩み、ほとんど解決できます

私自身、もともと幼児の指導は希望していませんでしたが、最初に勤めた教室の方針から、数百人のちびっ子たちをみることになりました。

その経験から「たとえば、こう考えるとレッスンが楽になりますよ」「もっといいレッスンができるかも」というヒントをまとめてみます。

寝転んだり別の遊びをする子はどう指導する?

「教室で寝転んだり、他の遊びをする子のレッスンが大変!」というのは、よくある話です。

私も悩まされたことがあります。

ありがちなパターンとしては、

  1. 教室の備品で遊び始めてしまう
  2. 勝手に鍵盤をぐちゃぐちゃに弾く

などなど。

もし他の遊びをし始めたら、その遊びに伴奏をつけてみてください。

たとえば電車ごっこを始めた子なら「ガタンゴトン」のリズムで伴奏をつけてみて、そこから音楽に戻っていき、レッスンにつなげます。

持ち込んだミニカーを並べてしまう子がいたら、並んでいるミニカーをお客さんに見立てて、お客さんに聴かせる音楽を演奏しよう! と誘ってみます。

鍵盤をぐちゃぐちゃに弾いているなら、先生は、それにあわせて即興で伴奏をしてみましょう。子どもにもちゃんと音楽を感じる力が備わっているので、ぐちゃぐちゃ弾きと先生の伴奏が「合った」と思う時、ちゃんと向こうも「合った」と感じてくれます。

そして、終わり方なんて決めていないのに、曲(?)の終わりを感じて、合わせてくれたり……。

子どもの感性はすごいです。

なので、遠回りに思えても、集中できない子をしかるのではなく、彼らの想像力を尊重し、一緒に音楽をする方向に持っていってほしいと思います。

将来コンクールに出るとしても、そこで必要になる表現力や想像力を、今この時に伸ばしておく。そう考えると、こういうレッスンの時間は貴重なものだと思います。

家で練習してこない子でも指導できる?

生徒が家で練習してきてくれない……というのも、よくある悩みです。でも、よくある悩みということは、むしろ練習してこない子がたくさんいるということです。

練習してこないからしかる、というよりも、リラックスさせてあげた上で一緒に音符を読んでみたり、そこからうまく誘導して鍵盤で弾いてみたり。

そういう流れに持って行く方がポジティブです。

歌ってみて「じゃぁ今歌ったやつを書いてみよう」と、楽譜を書く時間にあててみると「この子がどこでつまづいているかな」と観察できたりもします。

磁石で魚を釣ると音符が…

そこから、リズムカードや、写真のような魚釣り遊び(釣った魚に音符が書いてあります)で、興味を途切れさせないように指導していきます。

なみのおと音楽教室も制作にたずさわっている『せかいいっしゅうおんがくえほん』を使うこともあります。

練習してこない日を「しかって終わり」にするのではなく、子どもたちを観察し、次の指導につなげる貴重な時間にすることで、有意義なレッスンにすることができます。

『せかいいっしゅうおんがくえほん』の販売ページはこちらです。

3・4歳児が1曲弾く集中力は身につくもの?

3歳・4歳の練習曲なら8小節くらいで、1分もあれば弾けてしまいます。その間は集中力が続くと思いますが、それ以上となると難しいものがあります。

大手音楽教室でも、幼児科のレッスンは先生の歌を聴く、歌ってみる、弾いてみる……といった練習を、数分単位で細切れにして進めていきます。めまぐるしく内容が変わりながら、しかし先生のなかにはレッスンの大きな流れがちゃんとある……というイメージです。

そこからもわかる通り、幼児にとって「30分ずっと同じ曲の練習をする」というのはムリがあるため、集中が切れないようなカリキュラムを用意しておくべきだと思います。

予定している流れ通りに行かないこともありますが、レッスンの構成を考えておくことが大前提。その上で、子どもたちを観察しながら、集中を続けられるように工夫していきます。

手が小さくて鍵盤を弾くのにムリがある…

手が小さいくて鍵盤が弾けない子には教えられない……という悩みもよく聞きます。しかし、いくつか解決策が考えられます。

どうしてもピアノ以外弾かせたくない、というポリシーがある場合は別ですが、そうでなければタッチの軽いキーボードから練習してみるのもひとつの手です。

大人でもフランツ・リストなどの曲で指が届かない人はたくさんいますから、完璧を求めすぎるとそもそも練習できなくなります。それよりも、今できることからスタートした方が建設的です。

キーボードを使う場合、子どもにも「今はこれを弾くけど、大きくなったらピアノを弾く」という点を理解してもらった方がベターでしょう。

もし、どうしてもピアノでレッスンしたいという場合でも、それなりに対応策はあります。たとえば……

C7は手が小さくても弾きやすい

D7なら小さい子でも指が届きやすく、ある程度弾けることが多いはずです。しかし、G7になると難度が上がってしまいます。

子どもの小さい手にG7はきつい

その場合は、「シソ」だけにしてしまい、柔軟な指導とすることで、幼児でも無理なく弾くことができます。「絶対楽譜通りじゃないと!」ということになると、どうしてもムリなことがたくさんあります。

幼児でも弾けるように工夫してあげることも必要

子どもの立場で考えても、弾けないものをムリに練習させられるより、弾けた方が楽しいはず。完璧を求めすぎず、楽しんでできるレッスンの方が身につくと考えています。

この場合も、子どもにもわかるように「今はこうやって弾くけど、大きくなったらもっとちゃんと弾けるよ」と説明してあげてください。

けじめをつけて怒るところはビシッと怒るべき?

「怒るべきところはビシッといくべき?」というのも、よく聞くお悩みです。これはちゃんと自分のなかで整理して、線引きしておくべき問題だと思います。

たとえば子どもが「危険なことをした」「わざと物を壊そうとした」という場合は、ビシッと怒ってあげる……というか、しかってあげるべきだと思います。

しかし、

  • 言うことを聞かないから怒る
  • 練習してこないから怒る
  • おしゃべりが多いから怒る

というのは、あまり前向きな指導になりません。

怒られて泣いて終わる30分にするのではなく、できれば意味のある時間にしてあげてください。

このあたり、講師の能力も問われてくるのかなと感じます。

この記事の前半で書いたように、工夫次第でいろいろな指導ができます。

怒るより、工夫をするほうが、生徒を伸ばすことができると思います。

ピアノの先生向けの講座もあります

指導法に悩んでいる先生のためのアレンジ講座も用意しています。ピアノの先生が「壁にぶつかった」「指導法が思いつかない」という時の引き出しになるように、次のような内容で進めていきます。

1か月目リハモナイズ
2か月目アレンジに必要な理論
3か月目楽曲の構成・編成
4か月目様々なリズムパターン(伴奏への置き換え)
5か月目理論が理解できる生徒への指導法(小学校高学年~)
6か月目理論がまだ理解できな生徒への指導法

4か月目までのコースと、6か月全部履修するコースがあります。詳しくはお問い合わせください。

ピアノレッスンに関するお母さんの悩み、解決できますよ

「うちの子がちゃんとやってくれない」というお母さん、お父さんの悩み。大半は先生と相談することで解決できます。

そもそも、3歳・4歳であれば、集中できても5分くらいが限界。集中が切れた時に、どんな指導をするかは、それぞれの先生が用意しています

記事後半では、わが子が「ちゃんとレッスンを受けてくれない」と悩める保護者の方に、どう考えたらいいのかというヒントを挙げていきます。

保護者の方が心の中で悩み続けることはよくありますが、まず先生に指導方針を尋ね、子どものやりたいこととあわせて考えてみると、前向きな結論が出ることが期待できます。

子どもがふざける、集中しない時どうすべき?

子どもがふざけたり、集中してくれない場合、先生が「それでもレッスンする意義がありますよ」というかどうか。そこをまず聞いてみてください。

個人的には、子どもが好きで通っているなら、レッスンを続ける意味はちゃんとあると思っています。

集中しないということは、まわりに興味をひかれているということです。

音楽教室であれば、他の楽器があったり、音響機器があったり……。そういう物への興味をくみ取り、そこからもう一度レッスンにつなげていくことは、日常的に先生がたが行っていることです。

「先生に申し訳ない…」と焦ってしまう必要はなく、普通に見守っていてもいいのかなと思います。

また、集中力については月齢で考えることも大切です。4歳、5歳であっても、4月生まれと3月生まれでは全然違ってくるので、他の子と比べて一喜一憂する必要はありません。

気分が乗らないと練習しない子はどうすべき?

これは普通です。たぶん幼児はほぼ全員、気分が乗らないとやる気がでません。

「それでもレッスンに通うべきか?」の判断ですが、子ども自身がイヤだというのでなければ、きっとその時間で何かを学んでいるはずです。

何を学んでいるのか考え、それに納得できるかどうかで考えてはどうでしょう?

子どもと親、それぞれが「何を求めてレッスンに通うのか」。もう一度そこに戻って確認すると、レッスンを続けるべきかどうかの判断がしやすいと思います。

ピアノ教室は何歳から通えるのでしょう?

何歳からピアノのレッスンをするかは、教室によって違いがあります。ただ3歳であれば、すぐに曲を弾き始めるのではなく、プレピアノ的な内容になることが多いと思います。

とはいえ、この時期にたくさん曲を聴き、音楽に親しんでおくことには大きな意味があります。

その点を重視して早めにピアノ教室に通うか、実際に曲を練習するようになってから通うかで、判断が分かれることになります。

教室によっても何歳から受け入れるのかという判断が異なります。

幼児にピアノは難しすぎるのかと悩んでいます

これもよくある質問ですが、本当にピアノを弾くと考えたら、おそらく5歳くらいからになるでしょう。3歳ではまだ手が小さくて指の力も弱いので、ピアノの鍵盤を弾くのは大変な作業です。

しかし、力のいらないエレクトーンやキーボードを使うことで、3歳でも問題なく練習できます。

また、実際に鍵盤を弾くのと同じくらい大切なこともたくさんあります。

音楽を聴いたりリズムを感じることなど、「弾く」以外の力をつけるには、幼児期は非常に大切です。この時期は曲をたくさん弾くというよりも、音楽を聴いたり感じることで、将来必要になる「感性」を伸ばしていく時期だといえます。

先生によっては絶対にピアノで練習すべき、という考えの方もいます。その場合はもう少し大きくなってからのレッスンになるかもしれません。

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