ピアノ

ピアノ教室の体験レッスンで注意したいポイントは? 現役講師がお答えします

2020年7月2日

ピアノ教室やエレクトーン教室に通う場合、まずは体験レッスンを受けてみることが一般的。でも、このときどんな点に注意して、何を見ればいいのかは悩まれると思います。そこで、一例として、なみのおと音楽教室が考える「こんな点を見てみたらいいかな?」というポイントを整理しました。

まず先生が何を見ているか知っておきましょう

先生が何を見ているか知っておきましょう

体験レッスンを希望する方が来られた場合、講師もいろんなことを観察し、考えながらレッスンを進めます。お子さんの場合はとくに、どんな性格の子かな? という点も気になります。

大抵の生徒さんが緊張していると思います。その中でも挨拶ができる子もいれば、恥ずかしくてしゃべれない子もいますが、そういった性格の違いはレッスンの進め方にも影響してきます。すごく緊張していて堅くなっている子でも、なるべく楽しめて、体験レッスンに主体的に参加できる方法を考えていきます。

たとえば質問の仕方ひとつをとっても、生徒さんによって変えています。

初対面でも結構しゃべれる生徒さんなら自由に話してもらいますが、緊張している子には答えやすいような問いかけをしています。2択にして、ハイかイイエで答えてもらうなども、そのひとつ。

そうやって体験レッスンを進めながら、生徒さんがもし入会したら、どんな風に指導するかも考えていきます。

先生との相性を見よう!

お子さんの体験レッスンに同席した保護者の方には、当たり前ですが、まず先生との相性を見ることをおすすめします。そのとき、上で述べたように講師が試行錯誤している様子も見ておきましょう。

たとえば同じ3歳児でも、じっと座っていられる子と、どうしてもあちこちウロウロしてしまう子がいます。もし不測の事態が起きたときに、先生がどう対処しているのかはチェックポイント。

おりこうさんにできる子でも「普段のうちの子と比べてどうかな?」という視点で、お子さんを観察してみてください。緊張するのは当然ですが、緊張しながら楽しめているかどうかなどは見ておきたいところです。

ただ、相性のよさといっても、楽しければいいわけでないのは悩みどころ。ものすごくスパルタな先生でビシビシ注意される方が伸びる子もいます。厳しく指導された方が生き生きしているという子もいますから、お子さんの性格をより深く理解することも、ご両親に求めらるといえるでしょう。

先生に質問してみよう

なみのおと音楽教室では体験レッスンの終わりに「こんなテキストを使って、こんな風にレッスンをしたらいいと思います」という説明もしています。もし先生からそういった話がなかった場合、そこは聞いてみた方がいいと思います。

お家でどれくらい手をかけたらいいのかも、教室によって差があるところ。これも聞いておいた方がいいでしょう。次のレッスンに向けてどれくらい練習していったらいいのか、練習できなかった日でもレッスンに参加した方がいいのかなど、考え方は教室によって違います。それもお子さんとの相性といえるので、聞いておいた方がよいでしょう。

もう少し突っ込んで聞くなら、お家での過ごし方も知りたいところです。幼児からレッスンを始めた場合、本人の意思で続けるのはなかなかむずかしいこと。両親の協力で、生活の中に音楽を練習するリズムを作ることが必要になります。どういう風に生活に音楽を取り入れて、練習する雰囲気に持っていけばいいのか? 経験のある講師なら、お子さんに合ったアドバイスができるはずです。

小学生の場合でも、まだまだご両親がお子さんを観察して、声がけしてあげることでレッスンを続けることができます。どんな点に注意して、どんな声がけをすればいいの? という点も質問してみましょう。

練習環境についても確認しましょう

どんな楽器を用意すればいいのか、教室によって考え方に違いがあります。電子ピアノでも練習できるという考えの先生もいますし、絶対にアコースティック楽器がいいという先生もいます。

エレクトーンの場合でも、この機種以上を用意してほしいという基準は、教室によって異なります。

どんな楽器を用意したらいいのか、そしてそれについての考え方も聞いてみて、納得できるようにしておきましょう。

また最近は様々なテキストが販売されています。生徒さんによってどのテキストを使うか変えている教室もありますので、その点も質問しておきましょう。体験レッスンの終わりに、どのテキストを使うのか? そのテキストを選んだ理由は何かを尋ねてみると、講師の先生の考え方も伝わると思います。

体験レッスンの流れと目的

体験レッスンは何のために受けるのでしょうか? 体験レッスンを受ける目的は人それぞれかもしれませんが、何も準備をせずに体験レッスンに参加するとムダが多くなり、効率の悪い教室選びになりがちです。

そこで、体験レッスンの目的は「最終確認」と考えて、それ以前に準備をすませておくのがおすすめです。

申込時から体験レッスン当日までに相談する機会はありますので、そこで必要な楽器や練習の進め方などを相談しておき、体験レッスンでは講師との相性など、対面しないとわからない点を確認するようにしましょう。

体験レッスン当日の持ち物や服装は?

服装に関する決まりは特にないので、普段着でよいと思います。ただ、外遊びをして汚れたままの服装で行くのはNG。また、靴下は履いていくようにしましょう。

持ち物は特に指定されない場合が多いですが、A4サイズの書類がはいるバッグなどをもっていくと役に立ちます。

体験レッスン終了後に、当日使った教材をもらうことがあるほか、必要書類を受け取ることもあるためです。

体験レッスンの流れは?

体験レッスンの流れは教室によって違いますし、各コースで違いますが、おおよそ次のようになります。


  • 保護者の方と打ち合わせ(相談)

    講師としては保護者の方にお子さんの性格や普段の様子、好きな音楽などを聞いてからレッスンを始めたいので、可能であれば最初に保護者打ち合わせをします。

    小さいお子さんにはその間、知育教材で遊んでもらったりすることもあります。


  • レッスンスタート

    上記を踏まえてレッスンをすすめます。ヤマハなど大手の音楽教室では体験レッスンの教材やレッスン内容が決まっています。

    なみのおと音楽教室では、お子さんごとに違う教材を使う場合があります。最近は『せかいいっしゅう おんがくえほん』を題材に進めることが多いです。


  • 最後にお話しをして終了

    レッスンが終わったら、講師と保護者で簡単にお話をして終了します。講師はその日のレッスンの総評などをお伝えします。保護者からの質問もできるので、不明点などはぜひ積極的に尋ねてみましょう。


体験レッスンは上記のような流れで進めますが、お子さんが最初から楽器を弾きたくて待てない様子であれば、保護者の方との打ち合わせを後回しにして、いきなり弾いてみることもあります。

持ち帰って検討しましょう

体験レッスン終了後、その場で「入会します」とおっしゃる保護者の方もいらっしゃいますが、持ち帰って検討した方がいいと思います。体験レッスンの現場で、なかなかお子さんは本音をいえませんから、お家に帰ってまずはお子さんのお話を聞いてみてください。

先ほど述べたように、小さいお子さんの練習環境はご両親が作るもの。お父さんの協力も必要になりますから、お家に帰ったらぜひお父さんとも相談して、ご家族の意見をまとめておきましょう。

そうして「やっぱり入会しよう!」となったら、きっと長く音楽を続けていけると思います。音楽との、よい出会いがあることをお祈りしています!

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